古書画の修復、表装やり直し

 昔から伝わる掛軸や屏風、欄間にかかる扁額、さらに襖絵から衝立にいたるまで修復してよみがえらせることができます。破れたから、シミがきたからといって処分してしまわずに、ご相談いただければお見積りいたします。その際には、誰が書いたのか、時代はいつ頃のものかなど、できる限りお調べいたします。

 また、くずし字が読めない、何が書いてあるか知りたいとおっしゃる場合もご用命頂いた作品についてはお預かりしている間にできる限りの解読をさせていただきます。

 作品の時代により、きれいにする度合いや修復の程度は変わってまいります。できるだけ汚れを落とさなくてはならないものもあれば、現状維持にとどめないと価値がなくなるもの、汚れは可能な限り取り除くが時代の古さは残すもの、などなどお品物によって処置の方法は千差万別です。ご提案やお見積りは無料ですので、まずはご相談ください。


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〈補修の流れ〉

汚れた本紙

裏打ちをめくる

洗い1

洗い2

洗い3

洗い前




洗い後

洗い前



洗い後

修復にあたっての基本姿勢

 古書画の修復にあたっては、美術館や博物館に収蔵されているような文化財の場合、できるだけ現状維持を基本としています。オリジナルの芸術性を尊重するという意味から、絵や書の欠けてしまった部分を補うために、彩色を加えたり墨を入れたりする復元修理(加筆・補彩)は、原則として行ないません。

 つまり現在の状態を維持することが目標で、いま修理しておかないともたない、という部分以外はさわらないのです。オリジナルの状態に戻すために、過去に施された復元を除去することも多々あります。

 ただし一般のご家庭で保管されているものについては、できるだけきれいな姿を取り戻し、今後も見て楽しみたいというご要望が多いのも事実です。そのため作品の歴史や資料的な価値、お客様のご希望などを総合的に判断して、のちのち悪い影響を与えない技法、または材料で復元させて頂くこともあります。 

 さらに、復元をするにしても、例えば江戸時代に描かれたものと昭和に描かれたものとでは、その度合いが異なってきます。いずれにしてもオリジナルを改変するようなことのないよう、必要な場合は研究者の助言を求めたりしながら慎重に作業しております。

糊の悪影響 除去前

糊の悪影響 除去後


加筆・補修の例

 加筆する場合は文字の欠損部にのみ施します。なくなっていない箇所にまで筆を加えてしまうと、オリジナルの改変になってしまいます。補修の場合も同様に、クリーニングによって元来の色があらわれた上に、さらに絵具を塗り足すようなことはできません。

加筆前


加筆後


加筆前


加筆後


補修前
補修後
補修前
補修後
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ご自宅まで拝見しに参ります。近隣の府県は出張費は頂きません。ご遠方は交通費のみ頂戴いたしております。

A

作者や年代を見ながら、価値に応じたご提案をさせて頂きます。表装は作品を保護するためのものとはいえ、作品よりも表装の方が極端に高くなったり、逆に価値を落とすような表装となることを防ぎます。

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表装や修復のご用命を賜った作品についてはわかる限りではありますが、無料でさせて頂きます。作家の調査も同様にいたします。

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一点一点、汚れや破損の程度が異なりますので一律には申し上げられませんが、尺五(絵の部分の巾が約45cm)サイズでしみ抜きをして表具を新しくすると2万円~5万円(税別)くらいかかります。傷みがひどかったり、サイズが大きかったり、表具にさまざまなご指定がありますと高くなります。安価な表装の場合でもプレス機は使用いたしませんのでご了承ください。